パワーハラスメント対策(労働施策総合推進法)の概要

職場におけるパワーハラスメント防止のために、事業主は雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。

1.職場における「パワーハラスメント」とは
 職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③までの要素を全て満たすものをいいます。※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。

2.職場におけるパワーハラスメントの防止のために講ずべき措置とは
 ・事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
   ①職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること    
   ②行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること

 ・相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
   ③相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
   ④相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

 ・職場におけるパワーハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
   ⑤事実関係を迅速かつ正確に確認すること
   ⑥速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(注1)
   ⑦事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと(注1)
   ⑧再発防止に向けた措置を講ずること(注2)
     (注1)事実確認ができた場合 (注2)事実確認ができなかった場合も同様

 ・併せて講ずべき措置
   ⑨相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨を労働者に周知すること(注3)
     (注3)性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含む
   ⑩相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

令和6年10月
社会保険労務士 佐藤正典

次回の記事掲載は、11月25日頃を予定しておりますので是非ご覧になって下さい。

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